現在、ホッキ漁は地域に根ざした産業として、生産者自らが漁業生産活動への理解や消費拡大に取り組んでいます。学校給食にも採用され、郷土の味として定着し大変喜ばれています。このことから、郷土の誇る特産物ホッキ貝は、2002年7月20日「海の日」をもって「苫小牧市の貝」に制定されました。
ホッキ貝は冷たい海水を好み、日本では関東以北から北海道周辺、海外ではロシア太平洋岸などに生息しています。深さ10mほどの海底の砂地で、通常、砂の中に身を潜め、長い水管を延ばして水を吸い、海水に含まれるプランクトンを食べます。苫小牧・樽前の前浜はホッキ貝の生育に相応しい環境で、最高品質のホッキ貝が獲れる漁場となっています。
早朝(3時〜4時)にホッキ漁の船は苫小牧港を出港します。漁場へは30分〜40分程で着き、水深5〜15mの場所にホッキ貝が生息しています。昔は手で桁(けた)を引いて行われたホッキ漁ですが、現在は機械で漁を行います。砂に潜っているホッキ貝を船上からの高圧水流で掘り返す「噴流式ケタ網」という漁法を採用しています。